2023年の春はとても辛いことが家族に訪れた。ずっと張り詰めていた気持ちを和らげるため、夏が始まる前に、息子とレンタカーで北陸地方に旅行に行こうということになった。
クルマ好きの息子のために、どうせならということで、今時のスポーツカーとはどんなものか、GRヤリスを借りることにした。息子は喜んでくれているようである。
ちなにみ私は普段、前世紀に製造された2tぐらいあるラダーフレームのクロカン四駆に乗っている。大丈夫だろうか。
乗って最初の右折からクイックすぎてうわぁぁっとなるのである。速い。前だけ見て走れという視界。後方は基本何もも見えない。タイヤは今風のうっすうす、いちいち段差にビビってしまうのである。
力強い。高速道路での中間加速もシフトダウンせずともごわわわっとパワーが出る 。結構なスピードで延々とクルージングできる 。コレが3気筒のテンロクターボだとか、もうなんなの。
途中、わざわざ上信越道を降りて、前世紀末に走り込んだ某峠道に寄りちょっとお試ししてみる。トラックモードよりスポーツモードのほうが回頭性がよい感じである。トラックモードはガチ4輪にトラクションかけ続け続けるスタイルで乗るのだろう。私風情が本気だしても自分の運転でキモチワルくなるだけで、限界は全然上のほうにある。
とはいえ、速いだけではない21世紀のクルマなのである。現代風ないろんな仕掛けがついている。アイドリングストップがある。まじか。私はエンジンがとまるとパニックになる原始人なので即キャンセルしてしまった。視界は悪いが接近センサーもついていて合流やレーンチェンジも安心感がある。HUDもあり、前方に集中していられる。久々のヒールアンドトゥ、試みるもうまくできない。ペダル位置?いや私の足首が固くなったせいかな。無理にひねるとふくらはぎがつって事故りそうだ。代わりにシフトダウン時にブリッピングしてくれたりもする。おおっ。
ちなみにいろんな機能はナビゲーターである息子が見つけてくれた。原始人のおじたんだけでは訳がかわからずウウウと唸って涙を流すだけだったろう。
結構回したと思うのだが、燃費も現代のクルマらしい数字が出てまた驚くのである。私のクロカンはガソリンをまき散らして走る旧車なので尚そう感じる。
今のスポーツカーとはこんな感じなのか。すごい運動性能だが乗りやすさを捨てていない。やる気が感じられるエクステリア、チープでもなくゴテゴテでもなくちょうどいい質感のインテリア。素晴らしいクルマだなと感嘆しきり。